スタイリッシュな牛S

宝塚歌劇団の観劇感想や思いの丈などを気の向くままに書くブログ。 全組観ます。

初めての宝塚観劇は二本立ての作品がおすすめ

こんにちは。有楽町の女Sです。

 

先日、帰宅後にスカステをつけたら「EXCITER!!」初演が放送されていました。

しまった!録画してなかった!

番組表確認してももう放送ないっぽいな〜。

仕方ないのでリアタイ視聴。やっぱいいよねエキサイター。

 

 

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出典:ポスター | 花組公演 『仮面のロマネスク』『EXCITER!!2017』 | 宝塚歌劇公式ホームページ

 

「EXCITER!!」とは2009年に花組で上演されたショーで、その後2010年、2017年と再演され、そして今年2018年の年末にも再演が決定している花組お家芸と言える作品です。

宝塚のショーといえばキラキラして美しい舞踏会のようなイメージかもしれませんが、「EXCITER!!」はキラキラというよりギラギラ!舞踏会というよりパーリナイ!

アップテンポな主題歌に乗せてバチバチとウインクが飛び交い、いつ何時どのスターさんに心を奪われるか油断ならない。そんなショーです。

 

今年は全国ツアーで上演されるので全国の方々に見てほしい……

同時上演のお芝居「メランコリック・ジゴロ」も鉄板の面白さなので!

しかも柚香光*1くんが主演ですよ!

れいちゃんのエキサイター!!超楽しみ!

 

 

今でこそショー作品が大好きな私ですが、初めての宝塚観劇は実は一本物でした。

一本物とは一回の公演でひとつの長いミュージカルのみを上演する作品のことです。(最後にちょっとフィナーレのショーとパレードが付きますが)

タカラヅカの本公演は一般的に

「お芝居(ミュージカル)」+「休憩」+「ショー」=二本立て

もしくは

「お芝居の一幕目」+「休憩」+「お芝居の二幕目」=一本物

という構成です。(三本構成など別のパターンもありますが今回は割愛)

 

漫画原作の作品を例に取ると、

二本立て・・・「ルパン三世」「天は赤い河のほとり」など

一本物・・・「ベルサイユのばら」「るろうに剣心」「ポーの一族」など

 

有名な「エリザベート」や「風と共に去りぬ」なども一本物ですね。

二幕まるまる物語に使えるので、一本物は大作が多いという印象です。

 

しかし個人的には友人を初めての宝塚観劇に連れて行く場合は絶対!二本立て!

なぜなら、私が宝塚の魅力に気づいたのは初めて観劇した一本物ではなく、その後に観た二本立ての作品だったからです。

 

 

私の初めての宝塚である一本物作品、それは「ベルサイユのばら」!

 

「宝塚といえばベルばらでしょ」というイメージがあったこと、そしてもともと原作漫画が大好きだったので、「宝塚が観たい」というよりも「ベルばら好きなら宝塚も観とかないと」といった使命感?のようなものだった気がします。

そして初めて観た感想は「宝塚は肌に合わなそう……」

そう思ってた人がまさか数年後に観劇や遠征はおろかディナーショーやお茶会にも足を運ぶようになるとはね!

 

現在はもちろんベルばらも好きですが、初めて観るには不向きだったのかな〜と今では思います。その理由を考えてみました。

 

  1. セリフまわしが独特
  2. 一本物は長い
  3. 宝塚といえば羽根!大階段!というイメージ

  

1.セリフまわしが独特

ベルばらの舞台では、歌舞伎調というかクサイというか……要は自然ではない喋り方をするのが特徴なんです。

宝塚のセリフまわしは元々芝居がかってはいるんですが、ベルばらはその真骨頂。J-POPと演歌くらい違う。

初めて観た宝塚が演歌=ベルばらだったもので、「宝塚って古臭い喋り方するんだな〜」と思い込んでしまったんですね。

今となってはそれが様式美だと思いますし、癖になる部分でもあります。

ヅカオタなら一度はオスカル様やアントワネットのセリフを練習するよね。

 

2.一本物は長い

一本物なので、3時間程度同じお話が続きます。

世界観に入り込めなかったりストーリーを理解しきれなかったり、初観劇の私のように喋り方に馴染めなかったりすると、その3時間はめちゃくちゃ長いです!

好きなスターさんがいればその方の一挙手一投足に注目して追いかけるという楽しみがあるのですが、初めての観劇の場合は人の見分けすら難しいでしょう。

初観劇なら、幕間の休憩でお話が終わる二本立ての方が集中力が続きやすいです。

 

3.宝塚といえば羽根!大階段!というイメージ

当時、宝塚の予備知識が皆無だったので、宝塚といえば「大きな羽根を背負ったスーツ姿の人がキラキラの大階段で踊る」くらいのイメージしかありませんでした。つまりショーやレビューですね。

男役さんと娘役さんのデュエットダンス、ズラッと並び歌い踊るタカラジェンヌ、ラインダンス*2……そんな舞台を期待していました。

一本物は基本お芝居仕立てです。「大きな羽根」「大階段で踊る」というシーンはお芝居が完結したあとのフィナーレやパレードがそれにあたります。正味10分〜20分くらい?

なので延々と続くお芝居を見て「思ってた宝塚と違う!」ということに……

お芝居でもタカラジェンヌの美しさは存分に発揮されているのですが、初めての宝塚体験ではやはり「宝塚らしさ」が詰まったショー作品がおすすめです。

実際、友人を連れて行くと「最初のお芝居は人の見分けがつかなかったけど、ショーは華やかですごかった!」と言われることが多いですね。

 

 

初めての宝塚観劇には二本立てがおすすめな理由。それは

  • お芝居とショーで違う世界が見られるので、どちらかには興味を持ちやすい
  • 一幕で完結するため集中力が続く
  • ショー作品で宝塚らしさを体感できる

という点です。

せっかく劇場へ足を運ぶなら思いっきり楽しんでもらいたい!

初観劇の舞台選びの参考になればうれしいです。

 

ちなみに、ショーと一口に言っても正統派なキラキラレビューから黒塗りのラテンショー、着物姿の日本もの、前述のエキサイターのようなノリノリなショーなど、毎回さまざまなショーが用意されているので、色んな舞台を楽しめますよ。

直近だと雪組の「Gato Bonito!!(ガート ボニート)」は猫をテーマにしたラテンショー。星組の「Killer Rouge(キラー ルージュ)」はハデハデゴージャスショー。どちらも楽しみです!

宙組は今日が千秋楽……さみしい)

 

 

そして、宝塚の魅力に気づいたところで、ぜひ一本物の大作もご覧いただきたいです。

3時間かけて広がるストーリーは壮大で、観劇後はしばらくその世界に浸ってぼーっとしてしまうほどです。

(今年の春には私を含め周囲が「ポー*3ロス」に陥っていました)

 

公演ごとにさまざまな舞台を見せてくれる宝塚。

そして、明るいショーでも悲劇の一本物でも、パレードでは全員勢ぞろいして明るく華やかにお別れする、そんな様式美が宝塚の魅力だと考えています。

ベルばらのかぶいた芝居もやはり様式美。

脈々と受け継がれた100年を超える宝塚歌劇の伝統、これからも楽しませていただきます!

 

*1:現在の花組2番手スターさん。おそらく漫画から出てきた人。好きな食べ物は「美味しいお米」。

*2:一列になって脚を揃えて踊る振り付け。ロケットと呼ばれます。

*3:花組公演「ポーの一族」。圧倒的すぎる美しい世界で観る者をことごとく薔薇園に連れ去った舞台。